Portfolio

私は、アジアやヨーロッパの都市を旅しながら、写真がいかに「確かなもの」を捉えるのか、考え続けていた。その旅から帰国後間もなく、私は「日本」で撮影することを決めた。そしてあるひとつの「場所」を選び出すことにした。自分となるべく縁のない、それでいて、何かしら自分の意識に関係してくる場所・・・そこに、ある調査によれば「日本で一番生活環境のよい場所」であり、同時に日本で初めて「原子力発電」が使われ始めた場所であるとう、福井県が浮かんできた。

気持ちの良い生活があり、原子力発電が集中しているというこの土地に、高度に抽象化された「確かさ」と「不確かさ」の混在する現代日本の縮図があると思い、撮影をし始めた。

この土地に住むさまざまな人に会い、それぞれの人が好きだと感じる場所、落ち着くという場所で、彼らをもひとつの「場所」として撮影してきた。そして、それら多くの無名の映像の集合体が、ひとつの「確かな」原郷に繋がるのではないかと考えるようになっていった。